島根県がん・生殖医療ネットワークとは

【目的】

島根県におけるがん・生殖医療に係る診療・研究及び、その発展向上を通じて若年がん患者の妊孕性維持を図る。

【対象症例】

<妊孕性温存療法>

○対象年齢

男女ともに下限なし~患者本人の生殖可能な年齢を超えない年まで
但し、島根県の助成対象は43歳未満(凍結保存時に42歳の方まで)

○対象疾患ならびに対象とする治療内容

  1. 「小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関するガイドライン」(日本癌治療学会)の妊孕性低下リスク分類に示された治療のうち、高・中間・低リスクの治療
  2. 長期間の治療によって卵巣予備能の低下が想定されるがん疾患:乳がん(ホルモン療法)等
  3. 造血幹細胞移植が実施される非がん疾患:
    再生不良貧血、遺伝性骨髄不全症候群(ファンコニ貧血等)、原発性免疫不全症候群、先天代謝異常症、サラセミア、鎌状赤血球症、慢性活動性EBウイルス感染症等
  4. アルキル化剤が投与される非がん疾患:
    全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、多発性筋炎・皮膚筋炎、ベーチェット病等
     ※原疾患の治療前を基本としているが、治療中および治療後に実施した妊孕性温存療法も対象とする

○対象者の選定方法

原疾患担当医師(がん治療医または上記難病等治療医)と、妊孕性温存療法担当医師の両者により検討を行う

○説明および同意

  • 本人による書面同意、または未成年患者の場合は代諾者(保護者)による書面同意
  • 未成年患者が妊孕性温存療法を受けた場合、成人(18歳)に達した時点で、本人の凍結保存継続の意思を確認し、改めて本人から書面同意を得る

○対象となる治療内容

  1. 胚(受精卵)凍結に係る治療
  2. 未受精卵子凍結に係る治療
  3. 卵巣組織凍結に係る治療(組織の再移植を含む)
  4. 精子凍結に係る治療
  5. 精巣内精子採取術による精子凍結に係る治療

<温存後生殖補助医療>

○対象年齢

原則として、夫婦のいずれかが、妊孕性温存療法の対象となる治療を受け、治療期間の初 日における妻の年齢が原則43歳未満

○対象者の選定方法

原疾患担当医師と、指定医療機関の生殖医療を専門とする医師により、温存後生殖補助医療 に伴う生命予後に与える影響について評価・検討を行う

○説明および同意

指定医療機関は、温存後生殖補助医療を受けること及び助成事業に基づく研究への臨床情 報等の提供をすることについて対象者に説明を行い、書面同意を得る。

○対象となる治療内容

  1. 凍結した胚(受精卵)を用いた生殖補助医療
  2. 凍結した未受精卵子を用いた生殖補助医療
  3. 凍結した卵巣組織再移植後の生殖補助医療
  4. 凍結した精子を用いた生殖補助医療

【参加病院】

都道府県がん診療連携拠点病院

  島根大学医学部附属病院

地域がん診療連携拠点病院

  松江市立病院
  松江赤十字病院
  島根県立中央病院
  独立行政法人国立病院機構浜田医療センター

がん診療連携推進病院

  益田赤十字病院

 

【実施医療機関】

・要件
日本産婦人科学会「医学的適応による未受精卵子、胚(受精卵)および卵巣組織の凍結・保存に関する登録施設」または日本泌尿器科学会指定した施設であり、かつ島根県が指定した医療機関

<妊孕性温存療法実施医療機関>

指定医療機関 実施できる妊孕性温存療法
島根大学医学部附属病院 胚凍結、未受精卵子凍結、卵巣組織凍結、精子凍結、
精巣内精子採取術による精子凍結
島根県立中央病院 精子凍結

<妊孕性温存療法実施医療機関>

指定医療機関 実施できる妊孕性温存療法
島根大学医学部附属病院 胚を用いた生殖補助医療、
未受精卵子を用いた生殖補助医療、
卵巣組織再移植後の生殖補助医療、
精子を用いた生殖補助医療
島根県立中央病院 精子を用いた生殖補助医療

島根県がん・生殖医療ネットワーク

 

【島根大学医学部附属病院】

医療連携フロー(島根大学医学部附属病院)

診療申込書・診療情報提供書(島根大学医学部附属病院)

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手書き用   PDF  (ダウンロードはこちら

→ 病院間連携フロー 表示する

医療連携フロー(病院間連携)

 

【助成制度】

島根県では、令和3年4月から開始された国の助成事業に基づき、「島根県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」を実施しています。

※詳細については島根県のホームページ参照
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